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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第215章 215





「私はあなたなんか愛してない。どれだけ愛されたってこっぽっちも嬉しくない。龍くんの言葉借りるね?あんたは、ちっぽけで、無力。私の足元にも及ばない、虫けら以下よ」
「っだったら!お前も消えろ!また誘拐されて!ボロボロになればいい!」
「…お前が、鳳を使ってを誘拐したのか…」

の誘拐事件を知っているのは、小鳥遊事務所と八乙女事務所のごく一部。
警察の協力もあって、一切外部には漏れていない。
それを知っているのは、当事者だけだ。
月雲がの誘拐を知っているのなら、その犯人を鳳だと知っているのなら……龍之介の導き出したその答えは、間違っていない。

「ああそうだよ。僕が彼を使って、、君を誘拐させたんだ。クスリを使ってボロボロにしてやれって!彼が恋焦がれてやまないを思う存分好きにしていいって…っ!」
「馴れ馴れしくを呼ぶな!!」

我慢の限界だった。
再度龍之介は月雲の胸ぐらを掴みあげる。

「がどれだけ…どれだけ恐ろしい思いをしたか分かってるのか!!」
「聞かせてよ。どんな事されたんだい?その華奢な体を、心を、どんなふうに潰された?君の泣き顔を思い浮かべるだけで僕は…はは!最高だ!」
「いい加減にしろ!」
「何もされてませんよ。あんたの望むとおりにならなくて、本当に良かった」

呟きながら、は掴みあげられている月雲の胸を押し、壁に龍之介と2人で押し付けるようにぐっと押した。

「まぁじで…気分悪い。けど、今は私のことなんかより、百さん。あんたの部下がまたなんかやってんでしょ?さっさと連絡して、引き払わせて」
「ハッ、そう簡単に……っ」
「次は、ビンタなんかで収めないから」

月雲を見上げるの瞳は、冷え切っていた。
普段の世間から愛されているの朗らかな部分は1ミリも見えない。
それでも尚、彼女はとても美しい。
だが、怒りに満ちた龍之介の瞳も合わさって、月雲は今、初めて己が命の危険にさらされていることを悟った。

「…………」
「声も出ないほど、怖いですか?」
「あ……」
「ですよねぇ?」
「……」
「私、以外と気が短いんです。ほら、はーやーく」

なんでそんな冷酷な瞳で、そんな笑顔を浮かべられるんだ。

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