君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第214章 214
「ま、そりゃそうだけど。、さっきスマホ鳴ってたぞ」
「ん…ありがとう、大和さん。環ごめん、めっちゃTシャツ汚した…」
「そんなん気にすんなって!汚れたなんて思ってねーし」
「ありがと」
にこりと微笑み頷けば、そっと環から離れスマホを持ち上げる。
「龍くんだ…かけ直してくるね」
リビングを出て電話を掛け直せば、ワンコール鳴り終らぬ内に繋がった。
『?!』
「龍くん、ごめん。今小鳥遊寮だよ。ご飯作ってたの」
『そっか、良かった…、俺たちも東京着いたよ』
「ホント?お疲れ様!ゆっくり休んでね」
『うん、ありがとう。…やっぱり迎えに行っちゃダメ?』
電話越しでもその可愛さはなんなんだ。
強請るように問われ、は小さく笑い軽く首を傾げる。
「疲れてない?」
『うん、すっごく元気。早くに会いたい』
「…うん、私も会いたい。絶対に無理してない?」
『してないよ、大丈夫』
「じゃあ…迎え、お願いしても良い?」
『うん!じゃあ、みんなでご飯食べたいだろうし、21時くらいに迎えに行くね』
「ありがとう。龍くん」
『ん?』
「愛してる」
『俺も愛してる。じゃあ、また後で。ね?』
「うん、また後で」
通話を終え、スマホを口元に当て小さく笑う。
申し訳なさもやはりあるが、それでも、龍之介が早く会いたいと願ってくれることは嬉しい。
「十さん?」
「です。21時ごろ迎えに来てくれるらしいです」
「帰って来たばっかだろ?愛だねぇ」
「ふふ、ですかね」
「~手伝ってくれー」
「あ、はーい!」
食事の支度を終え、和気藹々と夕食を楽しんだ後、片づけをしてみんなでゲームタイム。
そんな中、インターフォンが鳴った。
「十さんかな」
「時間ぴったりだしね」
くすくす笑いながらがインターフォンのボタンを押す。
「龍くん」
『、お待たせ』
「今開けるね」
嬉しそうに応対し、そのままパタパタと玄関まで下りて扉を開ければ、瞬間、ぎゅうと抱き締められた。
「ただいま」
「おかえりっ。会いたかった」
「俺も。」
「ん?ん…んふふ、もー、こんなとこで…ん」
「早くこうしたかったんだ、…」
「んーっ、ん。龍くん…ふふ、愛してる」
「俺も愛してる」