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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第214章 214




「だからなるべく一人にならない様にしてるけど…でも、それじゃ、何も出来ないし、付き合わせる人が何も出来なくなっちゃう」

その筆頭が龍之介だ。
この数週間、龍之介がから離れたのは仕事の時のみ。
それはそれではただただ幸せだったのだが、龍之介が仕事以外の自分の予定を変えたことを知った時、流石に申し訳なさが勝った。

「龍くん、地元の友達が上京してきたから会いに行くはずだったのに、断ったの…」
「マジか」
「天も楽も出来る限り傍に居てくれようとしてる。だけど、龍くんはそれ以上に、傍に居ようとしてる。それが、今ちょっと心苦しくて…嬉しいんだけど、申し訳ないんだ」
「何よりが大切ってのはよく聞いてるからわかるけど…友達との約束まで断るのはさすがに…」
「うん、お友達にも申し訳なくてさ。こっちに用があるとしても、わざわざ龍くんと会いたくて時間調整とかしたわけでしょ?なのに、私のせいで…」
「おっとストーーップ!そこで自分のせいにすんなー?」

ビッと人差し指を口の前に差し出され、は唇を噤む。

「お前が一言でも、友達より私の傍に居てって言ったか?」
「言ってない…けど…一人になるのが怖いって…前言っちゃったから」
「それを聞いて、約束を断ったのは十さんの判断。お前のワガママじゃない」
「…うん、でもそもそも私があんな事件に巻き込まれなかった…」
「ストーップ!それについて悪いのは絶対にじゃない。悪いのは鳳さんとスタッフの子で、それもアイツらが悪い方に下した判断のせい。お前のせいじゃない」
「三月くん…うぅ…ありがと…」
「うぉ…!お、おぉ…当たり前の事言っただけだって!な?ホント、無理すんな」

抱き付いてくるの背を仕方なし、と擦り、ぽんぽんとあやすようにそっと叩く。

「うお?!何してんだみっきー!」
「環…が自己嫌悪でなよなよになってっから」
「あ?マジ?っち、こいこーい」
「環…うぅ…環ぃ~」
「よしよし。っち、限界まで我慢すんなよな」
「ごめん~」

今度は環に抱き締められ、そのシャツの胸元を涙で濡らす。
その濡れた感覚が、何故かとても愛しい。

「お前らホント、仲良いな」
「っち泣いてんのほっとけねーじゃん」

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