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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第214章 214




翌日、が仕事帰りに小鳥遊事務所の寮へとやって来た。

「Oh!!」
「ナギくん!お疲れ様ーっ」

珍しく出迎えてくれたのはナギ。
を優しく抱きしめ歓迎の挨拶である。

「ナギくん、元気ないね?」
「んン?No、ワタシは今日も明日もいつも元気ですよ?」
「…そう?」
「愛しのレディに心配をかけてしまうなんて、ワタシもまだまだですね」
「ナギくんは立派な紳士だよ。さ、行こ行こ」

ナギの背を軽く押しながら階段を上がりリビングへと入る。

「ただいまー」
「ちゃん!おかえり!」
「陸、ただいまー!MOPもうすぐだねー!」
「ちゃんも順位上がってたのにね」
「うん、スケジュールがどうしてもね。どっちにしても5位だったから出場は出来なかったかな。でも、応援はいくから、みんな頑張ってね!」
「お前はTRIGGERの応援なんじゃねぇのー?」
「どっちも応援してるもん!」

上位3組しか本戦に出場できないMOP。
1位にRe:vale、2位にZOOL、3位にTRIGGERがランクインし、IDOLiSH7は4位と出場が危ぶまれていた。
そんな中、後輩思いのRe:valeが出場を辞退し、繰上りでIDOLiSH7のMOP出場が決まったのである。

「楽しみだなぁ…はぁ…龍くんカッコいいんだろうなぁ…」
「結局は十さんじゃねぇか」
「今日はリュウ兄貴来んの?」
「ううん、TRIGGERは今名古屋だから。あ、今日帰ってくる予定だけどね」
「おお、ライブハウス巡業も順調なんだな」
「私も行きたかったぁ…」

がっくりと肩を落とすにまぁまぁ、と一同慰めタイムである。

「じゃ、今日飯食ってく?」
「うん!手伝うー!今日なぁに?」
「今日はハヤシライス!」
「やったー!」

嬉しそうに立ち上がるは、そのままエプロンを身に着けキッチンへと向かう。

「今日マンション帰るのか?」
「うん。そのつもりだよ」
「…帰り一人で大丈夫か?事件の後でまだ…」

心配そうな三月に、は小さく微笑み頷く。

「怖いよ。みんなにも心配いっぱいかけたし、事務所からも龍くんからもなるべく一人になるなって言われてる」

材料を切りながら、は小さく苦笑する。

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