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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第213章 213




「アイツ…まだそんなん持ってたのか」
「そりゃそうですよ。万理さんとのRe:valeがあってこそ、今のRe:valeがあるんですから」
「…うん、ありがとう。で?そんなにカッコ良かった?俺」
「そりゃもう!」

笑顔で頷くに、万理もくすくす笑い、そしてを見て軽く首を傾げた。

「じゃあ、俺とユキ、どっちのファンになると思う?当時がそこにいたら」
「絶対バンさんですね。ユキさんもカッコ良いんですけど…私はバンさん好きになってたと思います。何より、万理さん…バンさんの声が凄く好きでした」
「過去形?今目の前にいるのに」

さらり、と髪をひと房掬い上げられ、じっと見つめられる。
普段の万理とは違う、大神万理という一人の大人の視線に、はうっかり頬を染めてしまう。

「い、今も万理さんのことは好きですよ…?」
「うん、知ってる。が俺の事信頼してくれて、好きでいてくれるのは」
「そ、そ、そうですよ。Re:valeのバンさんも、今の万理さんも…」
「」
「…はい」
「それ以上言わないで」

好きになっちゃうから。
心の中でそっと囁き、万理は弄んでいたの髪をそっと手櫛で直してやる。
それを拒否しないのが、が万理に絶大な信頼を寄せている証拠である。

「万理さん…」
「みんながを好きになるのが分かるよ。その笑顔が欲しくなるのが、離したくなくなるのが」

もっと早く、会いたかった。
なんで、あの子に惹かれる前に止めなかったんだろう。
そうしたら、もしかしたら…

「…なんてね」
「?…あ!こうやって女の子口説いてるんですね?!」
「あはは!昔はね。今はそんな事しないよ」

だって、届かないから。
傍に居られるだけで、割と満足。そう言い聞かせてるから。

「さ、もうすぐ来るみたいだよ。服汚さないように…」
「ん、ありがとうございます」
「全く。はたまにお子様だから」
「失礼なっ」
「大人は自分でナフキン付けるんです」
「むん、万理さんが甘やかすからですよーだ」
「甘やかしたくなるんだよなぁ、すごく」

くすくす笑いながら、万理は腕を伸ばしての頭をぽふぽふと撫でる。

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