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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第212章 212




どちらかと言えば甘党の。
けれど、一人分の甘口だけ作るのは面倒だと、最近中辛までを克服したらしい。

「チーズとか入れると美味しいことに最近気づいたんだよね。…てか明日遠征なのに遠征前のご飯カレーでよかった?」
「が作ってくれたら何でもご馳走だよ」
「だな」
「んふふふ、えへへへ…照れるぅ」

照れ照れと笑うに各々可愛いと呟き、せっせと手伝いを始める龍之介たち。

「あれ、皆準備は?」
「もう終わってるよ」
「わくわくだね、皆」

くすくす笑うに、それもあるけど…と龍之介はを後ろから抱き締める。

「が返ってくる前に準備しておいたら、明日の出発まで一緒にいられるから」
「龍くん…」
「ご飯食べたらの部屋行く…?」
「龍」
「お前、俺らだって離れんのに独り占めすんなよな」

耳元で囁いたつもりなのに何故バレたのか。
そんなことを思いながら、はて?と龍之介がを見れば、理由はすぐに分かった。
恥ずかしいような、照れ臭いような、でもすごく嬉しそうな表情の。
実にわかりやすいその反応に、龍之介は思わず笑顔になってしまう。

「龍の前だと、って何考えてるかすぐわかるよね」
「だな」
「え?!私女優なのにぃ?!」
「俺の前だと気を張らずに、らしくいられるのかな?って思うと俺も嬉しいよ」
「龍くん…っ」
「ほら、もう目がハート」
「尻尾があったらぶんぶん振り回してる」
「すっごく嬉しいって思ってくれてるの、よくわかる。素直に自分の気持ちを色んな方法で伝えてくれるが好きで愛しいよ」
「龍くん…私も大好きーーーっ」

後ろから抱き締められているところを腕の中で振り返りぎゅう、と抱き着けば、龍之介もまたぎゅう、と抱き締め返す。
思いきり抱き締められる、ほんの少しだけ息が苦しい抱擁が何とも愛しい。

「、息できてる?」
「できてるーっ」
「龍が締め上げすぎてねぇか?」
「ねぇよーっ」
「ねぇよなんて言葉使っちゃいけません」
「なんでだよ!」

そんな楽のツッコミにくすくす笑いながら、は抱き締められたまま天と楽を見る。

「今日は眠くなるまで天と楽にもいっぱい甘えていい?」

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