君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第210章 210
スタイリストの言葉に、はきょとんと首を傾げる。
「あれ?十くんも相当惚れ込んでるっていうか…溺愛してる気がするけど」
から交際していると聞いてから思い出すと龍之介の様々を思い出しているらしい。
思い返せば、いつでもどこでも、龍之介はを愛しげに見つめ、守るように傍に立っていたなと思い至る。
思い出せば出すほど、甘々である。
「確かに…私ばっかり好きじゃん、てことは無いですけど」
「なら大丈夫。十くんが俺ばっかり好きじゃんてなってる感じもないし。大丈夫大丈夫」
恋愛経験豊富らしいスタイリストの言葉に、は三田さんが言うなら…と頷く。
そこへ扉をノックする音。
が答えればそっと扉が開いた。
「」
「龍くん?!あれ、万理さんは?」
「うん、大神さんもちゃんといるよ。ビックリさせちゃった?」
「うん。でもすごく嬉しい…お帰りなさい」
「ただいま」
てっきり万理かと思ったら、そこに現れたのは龍之介。
は驚きに目を丸くするが、すぐに嬉しそうに笑い龍之介に抱き着いた。
しっかりとを抱き締め、頭に口付けてからの顔を覗き込みそのまま口付ける。
「そろそろ二人とも事務所ストップだすよ?」
「んっ!すみません…」
「ごめんなさぁい…」
「二人でしょんぼりされると俺も弱いけど…TRIGGERの話題が今出にくいとはいえ、MOPの順位が上がるごとに注目度も上がってるんだから。あんまりイチャつかないの」
「はぁい」
「気を付けます」
気を付けるなら離れなさいね。
くすくす笑いながら頷く万理の言葉に名残惜し気に離れれば、龍之介はの頭をぽふりと撫でる。
「今日はもう上がりだよね?」
「うん。天と楽は?」
「車で待ってるって。どこかでご飯食べよ?」
「うん!あ、万理さんも一緒にどうですか?」
の問いかけに、万理は自分を指さし首を傾げる。
「とても嬉しいお誘いだけど、このあとちょっとね」
「デートですか?」
「にやにやしない。だったらよかったんだけどねぇ…アイツ、突然呼び出すから…」
「ああ、なるほど」
万理がアイツと呼ぶのは一人しかいない。
納得と言ったように頷き、は千さんには勝てないなぁと笑う。