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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第210章 210




「その間に十くんとのことたーんまり話して貰うからね?」
「お、お手柔らかにお願いします」

苦笑を浮かべながら頷くににんまりと笑い、それでものプライバシーを大切にしつつ、でもやっぱり怒涛の質問攻めをするスタイリストとメイク担当であった。

「おー!すごい!痣ない!」
「ちゃんのメイクにこんな時間かかったの初めてだよー」

メイクによって綺麗さっぱりと痣が消え、は鏡を覗き込み目を輝かせる。

「!遅くなってごめん!」
「万理さん!おはようございます!」
「おはよ。十くんに送ってもらった?」
「はい」
「ラブラブでしたよー。ちゃんと十くん」

スタイリストの言葉に、本気で隠す気が無くなってきていることを万理は実感し苦笑する。

「ちゃん取られたの、正直悔しいっす」
「じゃなくて十くんに妬くんですか?」

くすくす笑う万理に、そりゃもう!とスタイリストとメイク担当は頷く。

「うちのは愛されてますね」
「もー、可愛くてしょうがないです」
「右に同じ!」

頷くスタッフに、万理とは顔を見合わせてから微笑む。
こうして日常を過ごすことで、少しずつの心が元通りに戻っていきますように、と、そっと万理は祈るのだった。

「本日最後のシーンです。ちょっとカットまで長いけど気合い入れていきましょー!」
「「はーい」」

撮影はいつも通りにスムーズに進み、最後のワンシーン。
もいつも通りセリフも動きも演技もばっちりである。
その割に、カットがかかると毎度考え込むような表情になっているのが少し気にかかった。

「カット!OK!本日の撮影終了です。お疲れ様でした!」
「お疲れ様でしたー!」
「、お疲れ様」
「万理さん、お疲れ様でした」
「なんか考え事してたけど、大丈夫?」
「あ、はい。スマホは戻って来たけど、私のカバンまだ戻ってないじゃないですか。だから台本の書き込み思い出しながらやってたんで…」

あれからが連れ込まれたホテルは直ぐに特定され、その駐車場に捨てられていたのカバンはホテルのフロントに預けられていたのを警察が回収したことは知らされていた。

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