第8章 乙骨憂太くんに愛されたい①
side.乙骨憂太
「ゆ、憂太?」
戸惑う名前ちゃんをギュッと抱きしめる。
名前ちゃんが生きてて良かった。
また大切な子を亡くすと思うと怖かったんだ。
「名前ちゃん。もう少しこのままでいさせて」
「えっ?でも___んっ」
この前名前ちゃんがしてくれたみたいな、啄ばむようなキスをする。
「…憂太…今、キス…」
「名前ちゃんがいなくなると思ったら怖かった」
「…でも…呪術師やってたら、こういうことも…あるでしょ…」
「…そうだけど。名前ちゃんはダメだよ」
僕、何言ってるんだろう?
こんなの困らせるだけなのに。
それでも名前ちゃんは、僕の中で特別な存在になりつつあるんだ。
だからもう二度と手放さない。
何が遭ったとしても。
「名前ちゃん。好きだよ」
もちろん里香ちゃんを忘れたりしない。
それでも、こんな僕を。
いつも笑って受け容れてくれる。
名前ちゃんが大切なんだ。