第8章 乙骨憂太くんに愛されたい①
「名前ちゃんを愛してもいいかな?」
「えっ?」
そんな困ったように笑わないでよ。
「良いに決まってるじゃん。私の気持ち知らないの?」
「えっ?」
キョトンとする憂太にキスをする。
「私は憂太を愛してるんだよ」
「えっと…慰め…とかじゃなくて?」
「違うよ。そんなことでキスしない。愛してるの」
私はずっと思ってた。
憂太の生きる意味になりたいって。
“ぼっ”と顔を赤くする憂太。
ほんと鈍いんだから。
「愛してるよ。憂太」
「あり…がとう…」
「それだけ?」
「えっと…なんか気恥ずかしくて…」
そういう初心なところも大好きなの。
憂太の額に私のおでこをくっつける。
「ねえ?憂太」
「うん。何?」
「キス…して?」
「えっと…うん…」
目を閉じると、チュッと啄ばむようなキスをされる。
本当はもっと私を求めて欲しいけど。
今はこれだけで我慢してあげるよ。
でも、いつか…
私の初めてを全部憂太にあげたい。