第7章 両面宿儺に愛されたい
「もしもし?」
『あ、もしもし。俺。さっき会った悠二』
「うん。どうしたの?」
『いやー。帰り道わかんなくて』
「えっ?」
今まであの神社にいたの?
こんな暗い時間まで、あんな不気味なところにいるなんて…
「迎えに行こうか?」
『いや、いいよ。それより目印ない?』
それがあったら君を電話で誘導できてるよ。
ほんとに何もないんだって。
「ない。近いし。迎えに行くよ」
『ありがとう。じゃあ待ってるわ』
500m位の距離なので、直ぐに悠二くんを見つけることができた。
「ごめんね。来てもらっちゃって」
「ううん。大丈夫だよ」
「ここさ、バスとか電車ある?」
「残念ながら車じゃないと辿り着けないよ」
「マジか―」
「そもそも悠二くんはどうやって来たの?」
不思議でならない。
「あー。言っていいのかな?俺さ、呪いを祓う学校に通ってんだよね。行きは大人の引率で車で来たんだけど、俺だけはぐれちゃって」
「成程ね」
呪いを祓う学校なんてあるんだ。