第6章 三ツ谷隆くんに愛されたい②
「名前先輩。デザイナーの三ツ谷さんが来てますよ」
「えっ!?」
驚いて入口を見ると、本当に三ツ谷さんがいた。
マジで?
私の人生終わったかも…
死んだフリとか、通用しないよね。
「どうかしました?」
「ううん。何でもない。ちょっと抜けるね」
私は精一杯の笑顔を取り繕って彼の元に行く。
そして三ツ谷さんの腕を掴むと、ダッシュでその場を去った。
「はぁっ…はぁっ…何でっ…来たんですか?」
「いや、なんつーか。ちゃんとお前と話したくて」
「まさか言い触らしてませんよね!?」
「言わねえよ!つーか、ヤリ逃げされたなんて言えねえわ!」
ぐっ!
やっぱり根に持ってる?
「…その…逃げて…すみませんでした…」
「はぁ…それよりお前、あの後大丈夫だったわけ?」
「えっ?あっ、はい。仕事には間に合いました」
「そうじゃなくて!」
声を荒らげる三ツ谷さんにキョトンとしてしまう。
「中出ししたから。その…アフターピルとか飲んだのかな?って…」
はっ?
今、何て?