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【好きなキャラ短編集】MAD HEAD【R18】

第5章 三ツ谷隆くんに愛されたい①


 


「…あー…未然に防げたわけですし…とりあえず帰らせて下さい」




注目を集めるのは嫌だ。




「もういいってよ。散れ」




彼の一言でサーッと人混みが引いていく。





「ありがとうございました」

「別に何もしてねえよ。それよりお前立てんの?」

「えっ?あ…はい。って、うわぁっ!」




歩こうとした瞬間、前のめりに転びそうになる。

ぐいっと引き寄せられて、私は彼の腕の中に収まった。





「大丈夫じゃねえな」

「…すみません…」





私をひょいっと抱えた彼は、お店を出る。





「お前。家どこ?」

「えーと。千葉の市川です」

「終電、終わってんじゃん」

「…すみません…」





なんかさっきから謝ってばっかりだな。





「私は適当に帰りますから、大丈夫ですよ」

「いや。そもそも立てねえじゃん。それを大丈夫って言うのかよ」





心配をしてくれる彼には悪いけれど、私の身体の芯が徐々に熱くなってくるのを感じる。





「どうすっかな…」





最後に見た景色は、カッコイイ彼の横顔だった。


 
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