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同期の仲

第5章 傷





歩き続けて、瀞霊廷へ入ったときは夜だった。見廻りをやっている死神達を避けるように自室を目指す。塀を何個か越えれば自室へ辿り着くと言うところで力が抜けた。起き上がるも、座り込むのが限界。あぁ、これじゃ……。


目が覚めた場所は見覚えのある天井だった。


“気が付いたか?”


頭の中に響く声。昔から聞いている声は、どこか落ち着く。


“白狼から聞いたぞ。盛大にやられたな。気でも抜いたか?”


うるさいなと思うが、返す言葉がないので黙っていよう。


“覚えていないだろうが、四番隊に運ばれて一通りの治療が終わるとお前は病室を抜け出したんだぞ。”


もう何回目だろ?意識がない中でまたやってしまった。怪我をして四番隊へ運ばれると決まって病室から脱走する。あの空間が嫌なのかよく分からないけど。そして、どこかで倒れているのを発見される。自室、隊舎の庭、他隊の庭、雨乾堂、その辺の道、等々。


“今回は五番隊の庭の隅に居たぞ。”


なんでそんな所に。ほとんど関わりない場所ではないか。


“五番隊の者が見つけてくれたようだ。そして浮竹の計らいでこの十三番隊の隊舎の部屋に運ばれた。我をここに連れてきてくれたのも浮竹だ。”


また迷惑かけてしまったな。


“迷惑かけたと思うなら礼を言っておくんだぞ。それから暫く我を離すな。数日前にお前が注いでくれた霊力で回復してやる。”


分かった。あぁ、眠くなってきた。身体も重たいし、とりあえず寝よう。周りが静かだからか、直ぐに眠りについた。


“おやすみ、水月”


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