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これが恋ですか?【DC/風見裕也】

第2章 事件2.刑事2人恋に迷う


「警察が入れないとなると警備も出来ませんし、犯人の目星もないのに消される前に止めるだなんて…」

警察側で無理を押し通して会場内の警備をするか…いや、警察がいるとわかっていては何も仕掛けてこないかもしれない
そうなると秘書夫婦殺害の犯人も分からないままになってしまうし、別の場所で始末されてしまってはまた迷宮入りの事件が増えてしまう…一体どうすれば…

顎に手を置き考え込む風見の隣りで降谷は一人、既に突破口を見つけて微笑んでいる

「ひとつだけ会場に入れる方法がある」

それは限られた人数しか入れないが、中を自由に歩くこともでき、参加者に一番近い所で人間観察ができると降谷は言う

「…スタンダードですが、会場内のウェイターとか、スタッフに紛れるとか…ですか?」

本当にありきたりな事しか出てこず、それでも公安かと言われてしまうのではないかと内心ビクビクした
案の定降谷はジト目で溜め息を付くもんだから風見は身構えてしまう

「仕方ない、もう少しヒントをあげよう」

風見の身構えはあっさりと無意味に終わり、意外にも優しかった上司にパソコン画面を見せられそれに目を移した

「警察に関わりのある人物だ。この参加者リストの中に、君もよく知る人物がいるだろう?」

よく知る人物…?
聞いた事のある企業のトップはたくさんいるが、よく知っているかと言われれば答えはNOだ
しかも警察に絡んでいる企業のトップだなんて…

風見は首を傾げながらマウスのホイールを転がし、名簿を見直していった
そして先程見た時と同じ欄で目を止める…

「(星宮カナ…同姓同名の別人ではなく本人だとしたら警官ではあるが、そうだとしたらなぜ彼女が小森財閥のパーティーに…?)」

小森財閥と関わりがあるならば事件の捜査に早々に加わっているはずだが、資料を届けてもらった時にはまだ直接関わりはないと言っていた
財閥との関わりがあるようには見えなかったのと、まだカナのことをよく知らない風見は、やはりカナとは別の人物だと気にしない事にした

「降谷さん…申し訳ないのですが、この中で自分がよく知る人物に心当たりはないです…」

恐る恐る上司の顔を見れば何故かクスリと笑っていて、意味がわからず首を傾げた

「隠さなくていいんだぞ」
「え?特に何かを隠し事をしている訳ではないんですけど…」
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