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これが恋ですか?【DC/風見裕也】

第2章 事件2.刑事2人恋に迷う


「安室さんの言う通り別の飛田さんだと思いますのでお気になさらず…」

風見刑事が安室さんの助手なわけないし、公安刑事が喫茶店の店員と繋がりがあるからと野球の試合に行くだなんてそんなまさか…と、現状から考えて別人の飛田だとカナは思った

せっかくのチャンスかもしれないのにいいんですか?なんて言う榎本にお礼だけ言って飛田の話はこれでおしまいにした
その後は何気ない話をしながらケーキを完食し、夕飯時で客足が増えて来る前にとポアロを出る事にする

「あ、星宮刑事ハンカチ落ちたよ!」

カウンター席を立った時にコナンにそう言われてカナは振り返った
慌てて拾ったそのハンカチは取調室で風見が貸してくれたハンカチで、取調室を勢いのまま出た時に自分のポケットにしまっていたことを忘れていた

「それ男の人のハンカチだよねぇ?」
「そ、そう!借り物なの…!」

カナはコナンの指摘にハンカチを急いでカバンにしまい、何事もなかったかの様に振舞った
「へぇ~」とか「ふぅ~ん」と怪しむ周りに、もうこれ以上は詮索されないぞと早足でレジの前に進むと、高木が割り込む様に財布を出す

「ホントにいいの?」
「ここで各自って言ったら「えー」って言うだろ?」
「うん、言う」

いつも通りの二人のやり取りに佐藤は一歩後ろで微笑んだ
結局カナが何で公安部で泣いていたのか、何でその後元気がなかったのか分からず終いのままとなってしまいモヤモヤが残っているが、ここに来たことで少し元気を取り戻した様な感じがして、まぁそのうち、と思いながら店を出る

「この後どこか寄りたい所はある?なければ家まで送るわよ」
「家までいいんですか!?」

電車通勤をしているカナは佐藤に甘えてRX7で帰宅をすることにした




***



太陽が沈み月の光が明るくなった頃、風見は部署の自分のデスクでカナの運んだ事件の資料に目を通していた
カナが取調室を出ていった後、やるせない気持ちを押し殺し部署へと戻ると、何故か同僚達はカナが泣いていたのを知っていてなんやかんやとからかわれてしまった
自分だって泣かせたくて泣かせた訳ではないが、原因が自分にあるのは明確で、もし他の出会い方をしていたらもう少し仲良くなれたのだろうか…と思い出す度に溜め息が零れていく
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