第2章 事件2.刑事2人恋に迷う
「水難救助とは、また大変でしたね。救助された方は無事だったんですか?」
安室は季節限定ケーキを配膳しながらそちらの方が気になるようだったので、カナは救助したのは小さな男の子で、その後元気に過ごしているということを伝えながら早速ケーキへフォークを通した
「わっ!ふわふわだ!それに…おいしい~!」
ケーキを一口、頬が落ちそうになるのをおさえるように幸せそうな顔を見せたカナにつられて周りもにっこり笑顔になる
お店の最新作なんですと嬉しそうに言う榎本は更に水難救助の話しを続けた
「でも救助活動ができる星宮さんも流石刑事って感じですけど、その一緒に救助してくれた人も凄いですね!お名前聞かなかったんですか?」
う"…と止まったカナを他所に隣りの佐藤はさらりと言う
「飛田さんって人らしいのよ」
ガシャン━━
ブフゥッ━━
「えぇ!?安室さん大丈夫ですかっ!?」
「コナン君も大丈夫!?ほら口拭いてっ!!」
飛田と言う名前を聞いた途端、安室は洗っていた皿をシンクへ落とし、コナンは飲んでいたアイスコーヒーが口から飛び出した
カナがコナンの口を拭いてあげていると、むせながら変な所に入っちゃったと涙目になるから背中を軽く叩いてあげる
安室の方は落とした皿は割れておらず何事もなかったが、失礼しましたと慌てて謝ってくれた
「そういえば!この前野球の助っ人に入ってくれた安室さんの助手さんも飛田って名前でしたよね?」
「えぇ…まぁ…」
榎本の話によると、つい最近町内野球の試合があったらしく、安室の探偵業の助手をしていた飛田が助っ人に入ってくれたそうだ
「もしかしたら同一人物かもしれませんよ!安室さん、飛田さんと連絡取れないんですか?」
「え、ええっと…彼も最近忙しいみたいで…それにたまたま苗字が同じだけかもしれませんから」
しかしそう濁す安室は既に気付いていた
星宮さんが昨日一緒に水難救助をしたのは自分の元助手という名目で野球の助っ人に連れて行った飛田で、自分の部下である風見だ
公安部へ行ってから元気がないというのは、きっとその時に風見に出会ってしまい、昨日のことはなかったことにして欲しいなどと言われたに違いない…
何をやっているんだ風見は…