第2章 事件2.刑事2人恋に迷う
「美和子さん聞かないって言ってたじゃないですか…!」
「無理には聞かないけど、気になるのよ。上司としてもね」
そう言われてもなんとか隠し通さなければいけない案件に、カナは何事もなく早く時が過ぎてくれることを祈った
「他の部署って今日はどこに行ってたの?」
アイスコーヒーを飲みながらコナンは尋ねた
ちょっとね、と濁しその場をやり過ごそうとしたが、周りがそうさせてくれない
「コナン君は知ってるかな?公安部って所があるんだよ」
カナはその公安部へ資料を届けに行っただけなんだけど…と説明をした時、気付かれない範囲で安室が興味を示した
なぜならこの安室という店員、公安を手足の様に使う更に上の組織、ゼロに所属しているという裏の顔を持っている
今は安室透という偽名で潜入捜査をし、探偵をしながらポアロでアルバイトをしているようだ
「ボク知ってるよ!公安の刑事さんにもあったことあるし!」
ニコニコと安室を見ながら言うコナンも事情は知っているようで、マズイと思ったのか安室は視線を外す様に食器棚に背を向け、人数分のお皿を取り出した
「それで、星宮刑事は公安部で何があったの?」
「高木君が言った通り、資料を刑事さんに届けに行っただけよ?…まぁ初めて行ったからちょっと緊張はしたけどね」
コナンにそう説明するカナの隣で、それだけで泣くのはおかしいと、佐藤は口にはしなかったがまた心配の目を向けるのだった
「あ、安室さん、私季節限定ケーキとアイスカフェラテでお願いします!」
「私も同じものを」
「じゃ、じゃあ僕は季節限定ケーキとアイスコーヒーでお願いします!」
「かしこまりました」
カナは話を逸らそうと注文をし、佐藤と高木が続いたところで公安の話は自然と終わり、ホッと胸を撫で下ろしてお冷を口にした
しかし高木が余計な話題を持ち出してくる
「そうだ!安室さんも僕と同じくらいの歳でしたよね?僕らくらいの男性が出会って間もない女性からもらって喜ぶ物ってなんだと思います?」
「ちょっと高木君!?」
「もしかして例の昨日の彼?贈り物なら私にも相談しなさいよ!」
3人のやり取りにキョトンとする安室、そして興味津々なコナンと榎本
「星宮刑事、彼氏できたの?」
「わ~!おめでとうございますー!!」