第2章 事件2.刑事2人恋に迷う
「コナン君事件ぶり!」
カウンター席のコナンの隣りにカナが座り、その隣りに佐藤、高木の順で着席する
安室はすぐにお冷とメニュー表を出してくれたが、その間カナの表情を気にしている様だった
「また事件にあったのかい?」
「エヘヘ…」
「いつもながらコナン君が色々な所に気付いてくれたおかげでスピーディーに犯人を逮捕することができたんです!」
コナンの行く所に事件あり
それを知っている安室は“また”と言葉を足して呆れ気味で聞いた
何度も事件現場でコナンに遭遇しているカナは当たり前の様にコナンを褒めている
「大人にはない子どもの感覚って奴なのかな…?まぁ、大人にしか気付けないこともありますけど…」
安室はそう言いながらカナの顔をマジマジと見つめると、それに誘われるようにコナンと佐藤と高木もカナに視線を送った
「……?」
「(元気がない様に見えるのは僕だけか?)」
「(安室さん突然どうしたんだ?)」
「(さぁカナ、何かあったなら言うチャンスよ!)」
「(あまり高いの注文しないでくれよ…)」
首を傾げキョトンとするカナの言葉を全員が待ち沈黙が通ったが、店の奥からもう一人の店員、榎本梓が現れ声を取り戻す
「いらっしゃいませ!みんなで黙っちゃって、何かあったんですか?」
「なんとなく星宮さんが元気のない様な気がして、何かあったのかなって思ったんです」
「えっ!?私顔に出てましたか!?」
安室の返答に両頬を抑えて驚いたカナに、あぁやっぱりと大人達は思うのだった
「星宮刑事、何かあったの?」
「な、何もないから大丈夫!いつも通り元気だよ!」
唯一気づかなかったコナンに心配そうに聞かれガッツポーズをして笑って見せると、榎本は腰を折り曲げて前のめりでカナをじーっと見つめた
「本当ですか~?安室さんにそう聞いたら、私もなんとなくいつもより元気がない様な感じがしてきちゃいました」
「そんなことない!気のせい気のせい!」
顔の前で両てのひらを素早く振って否定するカナだったが、佐藤は溜め息と共に事情を話した
「別の部署に顔を出してから元気がないのよ。聞いても教えてくれそうにないし」