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これが恋ですか?【DC/風見裕也】

第1章 事件1.新米刑事恋を知る


2冊目は小森財閥についての詳細…

財閥が束ねる子会社一覧や所属する社員リストなどがまとめてあり、膨大な文字にカナは目を細める

「小森財閥の傘下って殆ど製薬会社なんですね…」

日常で見る様な製薬会社の名前や初めて聞く研究所の名前を頭に入れていった

そして最後の3冊目は過去に小森財閥に関わった捜査等の詳細がまとめてあるファイルで、これは捜査権が公安に移った今は項目の確認だけで良いと言われ大まかに見て終わった



「さてと。星宮君、すまんが公安部までこの資料を届けに行ってくれ」
「私ですかっ!?」

カナは一通り目を通した3冊をまとめて渡される
公安に届けるとは聞いていたがまさか自分が届けに行くことになるだなんて思ってもいなかった為声を上げて驚いてしまった

「私公安部のフロア行ったことないんですよ…大丈夫ですかね…」
「なら尚更行ってみたらいいわ!」
「エレベーターで上がってすぐの部屋で風見警部補って名前を出せば出てきてくれる筈だから」

そう高木が教えてくれるも、カナの頭の中は公安の強面揃いで、とにかく恐ろしい場所なのではないかとできることならば断りたい気持ちでいっぱいだった
でも「1人じゃ怖いです」など言っても佐藤と高木はついて来てくれる様子はなく、目暮の命令だから仕方ないと腹を括るしかない

「生きて帰って来られるよう祈っててください…」
「取って食われやせんよ…」

ハハハと呆れる目暮に「行ってきます」と挨拶をし、カナは部署を出た


同じフロアに行く刑事がいればいいなぁと思いながらエレベーターに乗るが、こういう時に限って誰も乗って来ない…
目的のフロアのボタンを押し、飛田さんの話をしていたのになんで私が公安に行くことになってるの…と盛大に溜め息を吐き出した
こんな時にも浮かんでくるのは昨日の飛田のことで、

「(この資料を無事に風見警部補に渡せたら飛田さんにまた会える…)」

と、目を瞑って願掛けをする様に前向きに考えることにした
そして着いて欲しくないフロアにエレベーターは止まり、行ってこいと言わんばかりに扉が開く

重い足をエレベーター前の部屋に進め、ドアの前で深呼吸をした
あまりキョロキョロしないように、そしてなめられないように堂々と…
気持ちを引き締めドアを3回ノックし、ガチャりと開けた


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