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これが恋ですか?【DC/風見裕也】

第1章 事件1.新米刑事恋を知る


実はコンビニの一角でこんなにも悩んでいるこの男、カナには公務員とだけ言っていたが、カナと同じ警察官である
しかも公安警察の刑事という、カナのいる警察部門に煙たがられてしまう存在だ

「(コレで…いいのか…?)」

そんな公安刑事は只今下着のサイズや種類に頭を悩ませているところである
といってもコンビニなので種類はほとんど限られているが、レギュラーかサニタリー、MかLの選択でさえ、出会ったばかりの人の物を買うというのは色々と考えてしまうものだ
ましてや異性というところで飛田の頭の中はクエスチョンだらけなのだった
今まで仕事仕事で女性と過ごしたことはないし、女性用の下着なんて押収した物やここでは言えない様な事件やその報告書……遡っても洗濯に干されている母親の物くらいしか思い出せない

これは降谷さんに助けを求めるか…
いや、こんなことで上司の手を煩わせる訳にはいかないし、仮にも自分は降谷さんよりも1つ年上
上司と言えど年下にこんなこと聞くなんて男としてどうなんだ
それに公安刑事なんだからこのくらい推測して購入できなければ…

なんて思っても難しい物は難しいのである
頭の片隅で上司が「これでよく公安がうんたらかんたら…」と言っている様な気がして、飛田は背筋を伸ばすのだった
そして失礼だなと思いつつもカナのサイズ感を思い出しながら下着感のないパッケージの商品をサッとカゴに入れる

「(あとは適当に何か…)」

悪い物を買っている訳ではないが、気恥しさから次々とお菓子や飲み物を放り込み下着を隠す様にした
レジの店員は男性が良いか女性が良いか…なんて考えている飛田は、レジに向かうと全てセルフだったことに気付き苦笑いを浮かべるのだった




そして飛田が買い物を終えようとしていた頃、カナはバスタオル1枚を身体に巻き付け浴室から出た
脱衣所のドアの前には、飛田が脱衣所の中を見ないようにと僅かな隙間から置いてくれたのがわかる様に替えの服が置いてある
置かれた服は黒いTシャツと紐でウエストが締められるジャージのズボンで、黒なら中が透けないのでノーブラで着て上着を羽織ってしまえば大丈夫そうだと、とりあえずTシャツに頭を通した
そして着替えで視線が上を向いた時、洗面台に掛かるドライヤーが目に入る

「ラッキー!救世主!」

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