第5章 『解読せよ!』
拓眞は二枚の紙と、ボールペンを持って戻って来ると。
ちっちゃく深呼吸している彼女を見て、思わず。 クスっ。
と笑ってしまった。
ちょっと、呆気にとられ。次に固まってしまった彼女の前に座ると。
「驚かせてゴメンね。俺、この図書館の責任者なんだ」
ゆっくりとした口調で、話し掛けた。
マミは。
(まだ若いのに責任者……)
純粋に驚きつつ、少しゆっくり目に話す彼の口元を見つめてた。
「もう少しで、17:00になるからね。閉館なんだ。その本。すげぇ熱中してたからさ。借りて帰るかな? と思って、勝手にカード持ってきちゃった……あ、借りないで帰ら……」
『帰られても、全然。お客様のお決めになる事なのにすみません』
と、慌てて謝ろうとすると。
「す、すみません! 長居してしまって。借りて帰ります。面白ろかったので」
彼の言葉に。マミも慌てて、左腕の腕時計を確認して謝ると。借りて帰る旨伝えて。
貸し出しカードに記入し終わると。 スッ。 目の前。
まっ白な、新しい紙を置かれて?
「もう17:00過ぎたしcloseの札出したし。責任者は俺だし? と、言うことで。もう少し話しよう? では。ハイ! 解読せよ!」
『 匕 山 手 目 二 L 石 ワ ハ 土 く ≠山』
(カイドクセヨ? 何コレ?)
こっちが、呆気に取られてしまって。何も返せないでいるうちに。
どんどん、話が進んでいっちゃってる……
マミは、とまどいながらも。
差し出された紙に目を落とすと……