第36章 みんなの声が聞こえたよ
「やっぱりね。マミちゃんが、困っている子を 助けないはずないんだ 『自分ばっかりが岡さんや、ママに助けられてる』なんてさ。言うんだもん」
「うん。マミと仲良くなりたいって。心から思ったわ。お互いに『友達いらない』って心が泣き始めてた時で。でも、彼女なら信じられるって。マミも『あすみを、しんじる』って言ってくれて。ねぇ、四人組はね、小一の時、自分たちが入れたパンをマミに押し付けた奴らなのよ。信じられる? 三年以上いじめてさ」
「マジか……」
拓眞はツブやいて。
考えたくないけど…… もうそれしか頭に浮かばなくて……
「 好きな女の子を、いじめてしまう 男って、ガキよね」
愛朱実の切れ味鋭い正論に。
拓眞は。
「やっぱり」
と、項垂れ。
「岡ちゃん、カッコいいけど心痛くなった」
朔弥は、 心当たりがなくもないセリフに。心をえぐられて。
「マミから聞き出したの。 あの子。決して自分からは人を悪く言おうとしないんだもん。 四人組がどうしても許せなくてさ。あ、誤解しないでね? 四人組が、マミのことを好きなのは私が気がついたことで。マミは、気がついていないから。マミにとっては、嫌がらせ以外に他ならないもの。私を助けてくれたマミを今度は、私が守るんだっ。て決心したの」
「愛朱実ちゃんには感謝しているわ。マミは 女の先生とは相性が合わなくて…… 『意地悪されるのはあなたのせいじゃないですか?』 四年生の時の担任そう言われて 。我慢強い子が、こらえきれずに、私に訴えてきて 。私は猛抗議したわ。 もう絶対に 後悔したくない。マミを守り抜くんだって。あの小学校一年のパン事件の時に誓ったんですもの。 その子達の親に、抗議しても。学校に抗議しても。 力不足で全然収まらなくて。八方塞がりだった時に。愛朱実ちゃんも担任に猛抗議してくれてたのよ。 そこから徐々に、悪ガキの 嫌がらせも、収まっていったわ」