第35章 「マミは真っ直ぐな女の子なの 」
心配だから。
とリビングに布団を敷いて。マミを寝かせてから。 『 話を しましょう』 と言ったナミ。
マミはら 少し微熱が出始めていた。
「こんな時ですからね。多分 大丈夫だと思うけど。 家に用意してある抗原検査のキットで調べて 。かかりつけ医の小林先生に PCR 検査もお願いしてみるわ」
「おばちゃん、大丈夫 。用心はした方がいいから、検査はするとして 。マミは何もしていないんだもん 。物事は 良い方向に戻るよ」
「愛朱実ちゃん。ありがとう。 拓眞くん 、雪の中 。お願い。探して来てって、無理を言ってごめんなさい。中庭くんもマミを心配して来てくれて、本当にありがとう」
「おばちゃん 、すぐ離れるから。ちょっと、ぎゅっ。てさせて」
愛朱実はそう言って、ナミをぎゅって抱きしめて。 離れた後。
「どうして ? マミばっか 、辛い思いするのよっ」
堪えきれずに、泣き出してしまった愛朱実を。
「岡ちゃん……」
今度は朔弥が、ぎゅっ。て抱きしめて。
「マミは、真っ直ぐな女の子なの 。なんでか勝手に『してもいないことを。マミがしたって』いつも言われちゃうの。何でよ? マミは優しいから、私のことだって助けてくれて ……悔しいよっ」
いつも強気な女の子だって、思ってた愛朱実が、ポロポロ泣き出してしまって。
拓眞も、朔弥も。少なからずビックリしてしまっていた。
そんな中、朔弥は。
(俺が守ってあげたい)
って。
その時に、
(強く意識したんだよな)
って。
後に。振り返ると、この時だったって。 思い返すことになるのだった。