第27章 有意義な時間を過ごしたのは
「あのね。ブロックの上に自転車とかおいてあると。困っちゃうんだ」
いつもの、道。
「あそこには、お花のプランター。こっちには、お店の看板」
目印になるモノを決めて杖で叩いて確認しているからって。
「道の別れ道や、段差。道が伸びているよ。って。目印なんだよ」
って。
目が見えにくい子や、見えない子。それぞれにたくさん教えてくれて。
信号も。
「音のちがいを聞き分けて。わたっているの」
って。
「ホチョウキ外すとね。うしろに人が歩いている。とか、車の音がしないからね。ちょっとこわいの」
補聴器をして、音を拾いすぎても。補聴器を外して音の確認が出来なくても。
「不安な時があるよ」
って。耳の聞こえずらい子が教えてくれて。
けどね。
「耳が聞こえなくても、目が人よりよく見えるからだいじょうぶなの」
「メがおミミのかわりもしてくれるの」
って。
目の見えない子も笑って教えてくれて。
かえって。拓眞に、マミ、愛朱実、朔弥の方が。
「元気をたくさんもらえて。皆に逢えて良かった」
って、心から思ったのだった。
「車椅子も、少しでも段差があると一人じゃ超えられないから、声をかけてくれるとうれしいです」
車椅子に乗っている子も、そう笑ってくれて。
しかし……