第27章 有意義な時間を過ごしたのは
「コロナでね、お店がお休みになっちゃった時は 。ラーメン屋さんの音とか、におい、とかが消えちゃって。いつもの道を歩くのにこわかったよ」
「お店とか休みになってね。静かすぎて。あまり人も歩かなくなったでしょ? だから、 いつも以上に音が聞こえなくなって 。でも信号の音がいつもより大きく聞こえたりしてコワかったよ」
「みんながマスクしてるから、なにを、おはなし、してるかわからなくて、さみしかった」
「おウチからでちゃいけないからって。 ボクのおじいちゃん。お昼におフロとか、ゴハンとかたべに行くところに、いけなくなっちゃったんだ」
「私のおばあちゃんね。いつも、おさんぽのおてつだいをね、してくれる人がお休みして。車いすでお外におさんぽにいけなくなって。さみしそうだった」
みんな。自分のことばかりじゃなくて。
コロナが流行ってから、自分の祖父母が、デイサービスに行けなくなったり、散歩に行けなくなったりして。
「すごい、かわいそう」
「 はやく、おカゼがおわるといいね」
って。
涙ぐんだのが。切なくて。苦しくて……
子供たちを笑顔にしたい。
って始めた。紙芝居プロジェクトだったけど。
大人の方がいっぱい勉強させられて。 癒されて。
「凄い、有意義な時間になったな」
って。
拓眞に、マミ、愛朱実、朔弥。 そしてナミに。病院関係者 の先生方や、看護師たち。介護職員。大人が。
幸せを感じる一日となったのだった。