第25章 『たすけてマーク』と『ヘルプカード』
「おねえちゃんね。すごく頑張ってお話して、ちょっとドキドキ緊張したんだって。ベッドで少し休めば、元気になるから。って。院長先生がさっき教えてくれたから。心配いらないからね」
(俺が、マメちゃんの代わりに頑張らなきゃ!)
マミには、愛朱実が付いていてくれるし。と。拓眞は気合いを入れつつ。
(マメちゃんは本当に緊張していたんだろうね?)
部屋の後ろで、母親のナミが、紙芝居を見に来ていたのも気がつかないくらいに……
ナミも、少し遅れてしまい、ギリギリ着いたから。マミは緊張もあって気がつけなかったのかもしれない。
「紙芝居は、どうでしたか?」
『面白かった!』
みんな、口を揃えて言ってくれて。
「『たすけてマーク』を初めて見ました。見かけたら、声をかけてあげたいとおもいました」
感想を言ってくれて。
「ありがとう。お耳が聞こえない人。聞こえずらい人。目が見えない人。見えずらい人。車椅子を使っている人。他の病気の方。みんなそれぞれ一人一人、症状も助ける方法も違います。紙芝居に出てきたバッチをしている人。他にも……」
拓眞は、赤地に白の+マークのついた。
『ヘルプカード』
を子供たちに見せて。
「『ヘルプカード』を持っている人。様々です。ほんの一部。本に載っていたモノをまとめたの。コピーしてみんなに渡すからね。自分でも調べたり。僕や、紙芝居を読んでくれたマミちゃんに訪ねてくれたらいいから。本は、僕がもって来るから心配ないよ」
本を読みたくても、病を抱え図書館に通えない子もいる。
そういう、子どもたちの力になれたら。
と 。
拓眞は強く思うのだった。