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ぎゅっ。

第24章 マミの異変


  パチ……パチ……パチパチパチ……! 

  (そんなに強く叩いたら、手が痛くなっちゃうよ)  

 そんな風に思ってしまうくらいの、割れんばかりの。 大きな、大きな拍手が巻き起こって。    

マミは嬉しくて嬉しくて。

 
「ありがとう、ご……ざいました」

  その大きな瞳は涙で潤み、涙で声も震え、詰まってしまって……  

(まだまだ、伝えたいことあるのに……)

  隣にいる愛朱実が心配そうに。  

「マミ? 大丈夫? 深呼吸しようか。ね?」    



マミの背中をさすりながら、そう言うと。

 

-キーン-  


「っ……」  

 極度の緊張感から、解き放たれたからかな? 伝えなきゃならないことあるのに。って 思ったからかな?

しゃくり上げていたマミ。

少しギュッ。 って、頭が締め付けられた感覚がした瞬間……  

 補聴器が過剰に『何か』を『音』? を拾ってしまったのか?

-キーン-

軽く不快な音が補聴器からして……  

「いっ……」  

 補聴器のついた左耳を、左手で押さえて苦しげに呻いたマミ。

  「マミ? 一回補聴器を外そうか」  


 愛朱実は。

  「大丈夫。大丈夫だからね?」

 
ちっちゃな声で呟きながら、マミの補聴器外してあげて。  

「マメちゃん?」  

 拓眞がマミのそんな様子に、動揺しかけた時。  

「拓眞。踏ん張れ」  

 朔弥が、ちっちゃな声で諭してくて。  

 拓眞が 、ハって。すると。 子供達も、ザワザワってしかけていて。

  (そうだよ! 俺はマメちゃんに、子供たちのことは任せろ! って約束したんだ!)

  愛朱実がマミを、一旦『あそびのへや』から退出させてくれて。  

 拓眞は、それを確認すると。


  「みんな、大丈夫。大丈夫だからね」

子供達に。落ち着くように。って。努めて明るく、声をかけると。

 

「キーンって、したのかな ? あれ、とってもイヤなの」


一人の男の子が。右耳に補聴器をした男の子が呟いて……
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