第22章 『勇気』と『ありがとう』
みんなで、ようやく安心《あんしん》してね。
気がつくとね。お昼《ひる》になっていたんです。
二つのピクニックシートを並《な》らべてね。 みんなで。
お弁当《べんとう》を食《た》べることにしたんです。
「あのね。がっこうのせんせいがね。デイジーちゃんの、おみみ。についてるのが、おみみ。なんだよって」
ル-ナが、病院《びょういん》のお友達《ともだち》も、補聴器《ほちょうき》をしているよって。
「おや、ボウヤ。良《よ》く知《し》っているね。これはね、補聴器《ほちょうき》っていうんだよ。デイジーは、ちいちゃな音《おと》し|聞《き》こえないんだけど。補聴器《ほちょうき》をつけるとね。ハッキリと聞《き》こえる。デイジーを助《たす》けてくれるモノなんだ」
って、デイジーちゃんのパパ。
「ぼくたちの、おみみ。とおなじ。デイジーちゃんの、おみみ。なんだね」
補聴器《ほちょうき》が、デイジーちゃんの、お耳《みみ》。なんだね。
ってヴィント。
「ぼくと、ヴィントにぃちや、ルーナにぃちゃ、ブー二ャのおはなち、きこえるのね?」
って。ベルク。
「うん。パパとママのこえもきこえるよ!」
デイジーちゃんにも、笑顔《えがお》が戻《もど》ってニコニコって。
可愛《かわい》らしく、笑《わら》っています。
みんなも。
ニコニコ、笑《わら》っています。
「『たすけてマーク』をみかけたら『なにか。お手伝《てつだ》いをしましょうか? 』って。声《こえ》を、かけることが大切《たいせつ》なのね」
って、ヴィントとルーナとベルクのママ。