第22章 『勇気』と『ありがとう』
「とっても、勇気《ゆうき》がいるわよね。でも、今日《きょう》みたいに。デイジーが困《こま》っていたら……いえ『たすけてマーク』をつけている人《ひと》たち、みんなに。同《おな》 じように、声《こえ》をかけてくださったら。本当《ほんとう》にありがたいわ」
デイジーちゃんのママが、オメメをうるませて|言《い》いました。
「勇気《ゆうき》。をだして。 デイジーに話《はなし》かけてくださって、本当《ほんとう》にありがとうございました」
デイジーちゃんのパパの、オメメにも。涙《なみだ》が浮《う》かんでいます。
「ありがとう。ヴィントくん。ルーナくん。ベルクちゃん。ブーリャちゃん」
デイジーちゃんは、きちんと。
「ありがとう」
が言《い》えました。
「デイジーちゃん『ありがとう』が言《い》えてえらいね。いい子だね」
って。
ヴィントと、ルーナと、ベルクのパパが、明《あか》るく言《い》いました。
「ぼく、ベルクくんよ。おとこのこだもん」
ベルクはね、じぶんだけ、ベルクちゃんて、呼《よ》ばれたのが……
「あはは! ベルクちゃん。って、かわいいのにね」
ヴィントがちょっと、ベルクをからかっちゃいました。
「おとこのこでも。ベルクちゃんでもいいんだよ」
ルーナも、いつもより。ちょっとイジワルです。
「むー」
いっちょまえに。ムーって。お口《くち》をとがらせて。
すねてしまったべルク。
デイジーちゃんは、お話《はな》しをしているみんなの。
お口《くち》をね。しっかりみつめています。
「ベルクくんあいがと!」
デイジーちゃんが、そう言《い》うと。
「 デイジーちゃんは、おともらちらもん!」
ベルクはうれしそうに、ニッコリしました 。
デイジーちゃんもうれしそうに、ニッコリしました 。
「キャンキャン!」
ブーリャも。
「ボクも、おともだちだよ!」
って鳴《な》きました。