第20章 たすけてくだしゃい
「だいしようぶだからね? おなまえは、なんていうの?」
ヴィントは、優《やさ》しく、ゆっくりと女の子《おんなのこ》に聞《き》きました。
「デイジーよ。パパとママにあいたいの。たすけてくだしゃい」
デイジーちゃんが、頑張《がんば》って答《こた》えました。
「怖《こわ》かったね。パパとママと一緒《いっしょ》にきたの?」
「いなくなっちゃったの」
思《おも》いだしたのかな?
デイジーちゃんが、泣《な》きだしてしまいま
した。
「デイジーちゃん、だいじょうぶ。だいじょうぶよ」
ママは優《やさ》しく、デイジーちゃんをぎゅっ。って、抱《だ》きしめました。
「よし!」
パパが大《おお》きな声《こえ》で、デイジー ちゃんのパパとママを呼《よ》ぼうとしたとき。
「デイジーちゃんのパパとママぁ! 」
ベルクがね。大《おお》きな声《こえ》で叫《さけ》んだんです。
「ワンワン!」
ブーリャも 一緒《いっしょ》に叫《さけ》びました。
するとね。