第19章 たすけてマーク
「ごめんね 。びっくりさせちゃったね。 パパとママと公園《こうえん》にきたのかい?」
パパもしゃがんて、女の子《おんなのこ》に、優《やさ》しく話《はなし》かけました。
ヴィントとルーナもしゃがみました。
「お洋服《ようふく》にバッチがついてる」
ヴィントが、いいました。
「かあいいね」
ベルクが、いいました。
「たすけてマークだ」
ルーナがちっちゃな声《こえ》で、つぶやいたんです。
「あら、本当《ほんとう》ね。病院《びょういん》のみなさんと、子供《こども》たちがつけているバッチだわ」 ママが、言《い》いました。
ルーナはね。少《すこ》し体《からだ》が弱《よわ》いの。
おカゼをひいたり。お熱《ねつ》がたまにでちゃうの。 そんなときは、病院《びょういん》でお|泊《とま》りして、先生《せんせい》に診《み》てもらってるの。
「ごめんね。見《み》せてくれるかい?」
パパは女の子《おんなのこ》にそう言《い》うと。
洋服《ようふく》につけた。2つのバッチに|書《か》いてあることを。
みんなに、読《よ》んで、聞《き》かせてくれました。
「わたしは『右耳《みぎみみ》』が聞《き》こえません。まっすぐに目《め》を見《み》て 。ゆっくりと、大《おお》きな声《こえ》で、お話《はなし》してください」
「わたしは、左耳《ひだりみみ》に、補聴器《ほちょうき》をつけています。左耳《ひだりみみ》の近《ちか》くで。ゆっくりとお話《はなし》してください」
バッチには、そう書《か》いてあったんです。