第13章 貴方との出逢い。どんな意味があるの?
『 あー。もうお開きにしなきゃだな……メルアドさ。交換しよう?』
家に帰る前に、ファストフード店で言われたことも。
メルアドを交換したことも。
「 夢じゃないみたい……」
(どんなに、ちっちゃな声で話してるつもりでも。お風呂って響くよね?)
お風呂に入るために、補聴器を外しているマミ。自分が今、どんな音量で話しているからちょっと分からなくて。
「ママに聞かれていてないよね?」
心配になりながらも。
『色々と、自分たちが出来る事考えてみよう?』
ハンディキャップを抱えた人間と、健康な人。 難しい問題だよね。
便宜上、言葉で現す場面では。以前使われていた表現の仕方を。
言葉を変えて表しましょう。
(そう、言われるようになったの最近だもの)
マミは、自分が今まで生きて来た中で感じた表現の仕方が許されるなら。
(私は、助けを必要としている人間で。子どものころ、健康な人は元気で。丈夫でいいなぁ。って思ってたなぁ)
って、湯船で目をつむりながら考えてた。
身体的に。助けを必要とする人を元気な人が助ける。
(心傷ついた人を、助けを必要としている私でも話を聞く事なら出来るよね?) 皆が、皆で、自分の出来る範囲で誰かを助けたら。
(助けを必要とする人と、元気な人が共存して生きて行きやすい世の中になるよね?)
難しい事考えてたら。
(マズイ、のぼせそう)
少し、のぼせかけながら上がって、パジャマに着替えながら。
(今日は。濃い一日だったな)
拓眞との出逢いは。
(どんな意味があるの?)
マミは、呟いていた……