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ぎゅっ。

第12章 明日からまた二人で、頑張りましょう?


《 面白い本を見つけた》


〈あら~良かったね〉

《 止まらなくて。 ○○で少し読んで帰るから》  〈了解! 〉  

──  と。ちょっとウソをついてしまったマミ。


「うん……こんな時なのに……」

「マミの事だから、しっかり予防したんでしょ? 二人でご飯行く事もあるじゃない。たまには、ちょっとの息抜きにさ」

「うん」  

ソファに座る、ナミの隣に掛けてきた娘を。自分のほうに向けると。目を合わせてゆっくりと言うと。

「楽しかった? リフレッシュ出来た? 明日からまた二人で、ルールを守って頑張りましょう?」


「ママぁ」  


マミは、甘えるようにナミに、ぎゅっ。って抱きつくと。


「あらあら、 大っきな赤ちゃんだこと」

 ぎゅっ。って、笑いながら抱きしめ返してくれて。

「 リフレッシュできたよ。明日からまた頑張る!」


「 ママはマミが元気だと嬉しいわ。私も明日からまた頑張ろう!」

 二人で抱き合いながら、なんでか泣き笑いしちゃってた。  



借りてきた推理モノの本を、マミが見せると。

「なるほど。止まらないヤツだ。マミはあっという間に読み終わっちゃうでしょうから。次、ママに貸して」

「うん」


「じゃあ、ガス代がもったいないから、お風呂に入っちゃって?」

「うん!」  


ちょっと、ママ に嘘ついちゃった事。チクリと心が痛んだマミ。


 いつもなら、ちょっとムッて、しちゃうよな。ママのセリフだけど。  


何でか今日は、素直に聞けちゃう。って。


笑ってしまった。  




マミはお風呂に浸かりながら、不意に。


「また……が、あるの?」  心臓がバクバクする 。  



慌てたりして。スマホを風呂に落とさないように慎重に、しっかり持って。


 お風呂の蓋の上で スマホを操作して。


「メールアドレス登録してある……」


ボーゼンと呟いてた。
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