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【NARUTO】月影の恋人(R18)

第6章 痕



 最近結の様子がおかしい。
そしてここ何日か、ずっと他の客が付いていて夜も結に会うことができなかった。
気になりつつも、その直後にちょうど仕事が少し途切れ、結の元を久しぶりに訪れることができた。
結は相変わらずどこか元気がない。

「結、最近なんかあった?」

あからさまに結が緊張する。

「な、なんもないよ?なんで?」

相変わらず、遊女の癖に嘘がヘタで分かりやすい。
じっと見つめて座ったまま結の方へにじり寄ると、結がじり、と後退る。
真意を確かめるように頬に触れ瞳を覗き込むと、困ったように結の瞳が揺れた。
本当は無理矢理にでも聞き出したい。
でもーーー

オレはひとつため息をつくとゆっくりと結のおでこに口付けた。
でも、結はオレの胸を押して俯くと、少し拒絶する仕草をみせる。
そしてしまったというふうに、ハッとオレを見上げる。

「あ、えと、今、生理やから、今日はできんねん!!」

オレが来た時に結が生理なことは度々あった。
でも、そのとき感じる独特な少し血が混じった匂いが今日はしない。
それに、俯いて髪が流れて首元が露わになったとき、明らかにキスマークが見えた。

「なんで嘘つくの?」

「……っあ……」

言い知れない不安が怒りに変わり、気がつくと結をその場に押し倒していた。
その反動で結の長い髪が床に散らばり首元が露わになる。
そこには2つ、3つと赤い痕がくっきりとついていた。
その痕に視線を奪われていると、結も気づいたのか、バッと手でその痕を隠す。
その手を無理矢理とり、もう一つの手も一緒に上で束ねると、袂を割り、前を一気にはだけさせる。 

「やっ……!!」

結が身を捩って逃れようとするのを上に跨り体で押さえつける。
胸元には首筋とは比べ物にならないくらい、執拗に痕が残されていた。

「っ……」

でも今度目に入ったのはその無数の痕ではなく、結の頬に伝う涙だった。


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