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【NARUTO】月影の恋人(R18)

第4章 * 結ばれた二人



少し抱きしめていると、夕月の体温はすぐ戻ってきた。
夕月を抱えながらウトウトしていると、夕月が小声で何か言った。
オレの胸に顔をうずめているせいで、声がくぐもってよく聞こえない。

「え?」と聞き返すと「結、わたしのほんとの名前……」と小さな声で言う。

「結、そっか。
結」

「なに?」

恥ずかしいのか、ぶっきらぼうに結が答える。

「ふふ、なんで今言ってくれる気になったのかなって」

「だって、わたしの名前聞いたら元気になるって、カカシが前に言ってたから……」

酔った勢いで、軽い気持ちで言った言葉だったのだが、夕月はしっかり覚えてくれていたようだ。

「ありがと。すごい元気になった」

愛しくて結の頭にキスをする。

「なんで今まで頑なに教えてくれなかったの?」

「だって……」

「うん」

結は言いにくいのか、黙ってオレの胸に顔を隠してしまう。

「だって、秘密がなくなったら、カカシがもう来てくれへんくなるかもしれへんと思ったから……」

声は小さくてくぐもっていたけど、今度はちゃんと聞き取ることができた。
可愛い発言に愛おしさが増し、そっとその小さな頭を撫でる。

「そんなわけないでしょ」

「……うん」

顔は隠していても、赤い耳は丸見えで。
照れた結は本当に可愛い。
サラサラと髪をすくように撫で続けていると、沈黙に耐えかねて結が早口に言う。

「っっさ、もう寝な!
お医者さんもたくさん寝てって言ってたし!」

「うん」

結が部屋の灯りを消してくれる。
自分の布団に入ろうとする結の手を掴む。

「今日は一緒に寝てくれる?」

握った手に少し力を込める。

「ん…」

結は、オレの布団をめくるとそっとこっちに入ってきた。
オレは結を抱きしめると、その体温に安心して重い瞼をゆっくりと閉じた。



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