第6章 月夜の窓辺に。
部屋の窓際にいつのまにか知らない若い男がもたれかかっていた。
男「き、きみは一体!!?。どこから入ったんだ!!。」
五条「どこって、この窓だけど。それより君。なんだか物騒なことしてるね。」
その若い男は不思議な格好をしていた。黒い布で目元を隠していて、服は真っ黒。そして、綺麗な銀色の髪をしていて窓から差し込む月光でキラキラと光っているように見えた。
五条「君、呪詛師?。その子、呪い殺して消そうとしてるの?。人に呪いをかけるのはご法度なはずだけど。」
父「な、なんなんだ、あんたは!。」
母「ちょ、ちょっと、、先生なんとかして下さいよ!。」
男「チッ。ところで、あんたも僕と同じなのかな?。」
五条「ちょっとちょっと、やめてくれない?。君と一緒にしないでよ。君、弱いじゃん。僕、最強だからさ。」
男「な!なんだと!?。」
呪詛師という男の激怒した姿をニヤリと嘲笑うその人から今まで感じたことのない圧を感じた。
本能が危ないと叫ぶ。
この人、人間だけど人間じゃない……。
コツコツと歩いてきてわたしの前にその人は立つ。
五条「君、大丈夫?。」
愛「……。」
上手く返事をすることが出来ない。この人なんなの?。
わたしのことを殺すつもりなの?…。
怖い。怖い……。
五条「だ〜いじょぶだよ。そんな怯えないでよ。君のこと殺したりしないよ?。むしろ、白馬の王子様が囚われの姫を助けにきたって感じかな?。フフ。」
ニヤニヤと冗談をまぜながらその人は言った。
助けに?……。わたしを?なんで?……。
訳が分からなくて。ただその人を見つめていた。
何故だろ。初めて会う人なのに、言っていることが嘘じゃないって思えてしまう。
愛「あ、あの。わたしを生かしてくれるんですか?…。」
五条「生かすもなにも、君は死ぬべきではないよ。生きるべきだよ。君はさ、本当に死にたいの?。僕に助けてって言えば、助けてあげるよ?。ねぇ。君のほんとの気持ち、聞かせてよ。」
そう言われた瞬間、なぜか涙が溢れて止まらなかった。
こんな自分に生きるべきだと言ってくれる人がいた。自分は死ぬべきだと思ってたのに……。
でも、本当は。
わたしは……………………。
愛「死にたくない。まだ生きていたい。助けて…。」