第4章 サプライズ。
背中に冷や汗がタラリと伝うのがわかった。
この人、すごく嫌な感じがする…アレを見つけた時と一緒の…。
男「こんばんは。愛さんのお誕生日をお祝いさせていただきたくて来ました、〇〇さんの友人です。」
お父さんの友人だと言うその人はわたしにそう言うとまたニコリと笑った。この人がお父さんたちが言ってた知り合いなの?…。
わたしが棒立ちになっていると、後ろから両親が来た。
母「あら!お早いお着きだったんですね!。」
父「こんばんは。待っていましたよ!愛、ちゃんと挨拶はしたのかい?この人がお父さんの知り合いの人だよ。」
愛「こ、、、こんばんは。娘の愛です。すみません…すぐに挨拶できなくて……。」
男「いやいや、大丈夫ですよ。あなたが愛ですか。ご両親からはお話を伺っていますよ。わたしは〇〇と申します。初めまして。」
ニコリと挨拶をするその男から目が離せなかった。わたしの横をスルリと通り過ぎてからもまだ、冷や汗が止まらなかった。
なんだろ…普通の人なのに嫌な感じがする…………。なんで…。この人、もしかして……。
「気味悪いこと言わないで。」
昔、両親から言われた言葉が頭をよぎった。
なにを考えてるんだ。変なことを言えばまた、2人から気味が悪いと言われてしまう。また、遠ざけられる…………。
わたしは嫌な感じがしたのも気の所為だと信じ込んだ。
お父さんの知り合いだもん。大丈夫だよ。
私に笑いかけてくれたし、話せばきっと優しい人だ。
そう自分に言い聞かせて、わたしたち家族とその男の人で一緒に誕生日を祝ってもらった。食事をしてから、両親に違う部屋に来るように言われたわたしはその部屋にいくと両親と男の人が待っていた。
父「愛。わたしたちからサプライズがあるんだ。その椅子に座って、目を閉じててくれないかい?。」
愛「この椅子に?えぇ、どんなサプライズなの??。」
父「しばらく目を閉じててね。
すぐに終わるから……。」
愛「え?……。」
お父さんがそう言い終わるとわたしの身体はまったく動かすことができなくなった。慌てて両親に目をやると、不気味な笑みを浮かべている両親がそこに立っていた。