第1章 "誰かを想うこと" 社長のお誕生日ss
全員が出し物をする宴会に強制的に参加させられた俺は破茶滅茶に進んで行き、息を切らす中、漸く、最後の項目となっていた
プレゼント贈呈だ
しかし、俺はそれに気がつく間も無く応接室のソファで横たわっていた
すっげぇ、疲れた……
太宰の野郎が一段と絡んでくるせいで、
ソファで息を整えている間に国木田から名を呼ばれた
徐に顔を其方へと向けると国木田が言葉を発した
「プレゼント贈呈だぞ、お前から行け」
その言葉に俺は目を見開かせて上体を起こした
「お、俺!?」
「嗚呼、そうだ、徳冨はお前しか居ないだろう」
「いや、そうだけどよ……」
俺は購入したプレゼントへと視線を向けたが、直ぐに逸らすと共に身体をソファへと預けて手を弄ぶ
「俺は、べ、別に……」
すると、逆向きに見える国木田が息を吐いた
「そういうわけにはいかんだろう、ほら、立て!」
「わっ!」
俺の肩を持って強制的に上体を起こさせた後に身体を反転させられて無理矢理立たせる
「何すんだよ!」
すると、待っていたかの様に俺が購入したプレゼントを手に持っていた与謝野が俺の胸へと乗せる
「ほら、男ならうじうじしてないで、覚悟決めなっ!」
「わっ!」
その言葉と共に背中を叩かれて前へと押された為に瞬く間に福沢の前へと突き出された俺は睨みを利かせるが、各々が様々な反応を見せる
諦めた俺は窺うように前方に居る福沢の方へと徐に視線を向ける、相変わらずいつもと変わらぬ表情だが、何も言わずに待っている雰囲気は温かい
俺は手に持っているプレゼントへと視線を向けて、優しく持ち直すと共に意を決した
そして、顔を上げた俺は福沢へと差し出した