第23章 早とちりも程々に※
「一緒に連れて行った二人の隊士の内の一人がほの花さんを口説いていた…?ような気がします。」
「……は?」
口説いていた、だと?いや、それはそれで問題だし、腑が煮えくり返りそうだが、何故コイツはこんな疑問符を浮かべながら話してくるのだろうか。
「…すみません。ボーッとしてて、しかも小声だったのでところどころしか聞こえなかったんですけど、好色女だとやっかみされて、俺の相手もしてくれよって言われてました。」
「……あ?どこのどいつだ。名前を教えろ。アイツの師匠として挨拶しておかねぇとなぁ…?」
「名前……………忘れました。すみません。でも、怪我をしたので蝶屋敷にいると思います。ほの花さんなら応急処置してたし、知ってるかなぁ…。聞いてみてください。」
……ずいぶんと勝手なこと言ってくれんじゃねぇか。俺のほの花のどこが好色女だぁ?
俺と恋仲になるまで生娘で、尚且つ俺以外を知らない純粋無垢な女だと言うのに、男好きなわけがねぇだろうが。
「…でも、ほの花さん、自分で言い返してたのでもう言ってこないと思いますけど。」
「ンなこたぁ、関係ねぇんだわ。俺の気が済まねぇからよ。絶対ェに探し出してぶん殴ってやる。」
「隊士同士の喧嘩は駄目ですよ。宇髄さん。」
「………、じゃあ家爆破してやるか。いずれにせよ…後悔させてやるぜ。俺のほの花に手を出そうなんざ千年早えわ!!!」
ここ最近すっかり体型も元に戻っていて、前よりも乳も成長しちまってるし、元鞘に収まってからと言うもの毎日毎日だきまくっていたせいで妙に色っぽくなっちまったほの花には困りモンだ。
こうやって好色女だと言われて、相手をしてもらえるもんだと思う不届き者だって出てくるだろうし、今回がそれに当てはまるのかは分からないが、それにしたって腹が立つのには変わりないのだ。
「僕も石投げて黙らせてはおきました。」
「お、よくやった!時透!!お前、いい奴だな!」
時透とほの花の仲が良いと言うことはこういう時、俺の意向に沿うことをしてくれると言うことでそれはそれで助かる。
ほの花に確認もするが少し休んだら蝶屋敷にいると言う不届き者の顔だけ見に行こうと心に決めた俺だった。