第23章 早とちりも程々に※
「ほの花さん、お疲れ様。ありがとうございました。送ります。」
「えええ?!いや、大丈夫ですよ!そんな霞柱様にそんなことさせるなんて…!」
全ての人の治療を終えると、ホッとしてお腹が空いたなぁ〜なんて思いながら、薬箱の整理をしていると時透さんに声をかけられた。
どこにいたのだろうか?と思うほど、気配を消してその場にいた彼で、声をかけられると少し驚いた。
「でも…、ちゃんと宇髄さんに報告しないと…玄関壊されちゃいます。」
「いやいや、本当に!大丈夫ですから!宇髄さんには私から言っておきますし!」
ただでさえ、特別扱いをされていることでやっかみを言われて口喧嘩(?)をふっかけられたと言うのに。これでは結局、元の木阿弥ではないか。
しかし、時透さんは大して取り合ってくれなくて「行きましょう」と歩き出してしまった。
柱同士の報告とか継子の貸し借りとかどう言う取り決めがあって…と言うのは分からないのに安易に断って良いのかと言うのも分からなくなってきたので、仕方なく薬箱を持ち後ろについていく。
宇髄さんの言う通り、時透さんは天賦の才があるようで流れるような剣技が美しかったし、本当に一瞬で鬼の首を斬っていたところは"流石は柱"と思った。
宇髄さんもこの前の任務で一瞬で鬼を斬っていたし、柱と自分の力の差が歴然なのだと言うことを見せつけられた気がした。
だとしたら、今回医療班と兼務で来れたことは新しい取り組みで良かったと思う。柱ほどの実力はなくとも医療班として、剣士として両方で役に立てたのならば来た甲斐があった。
──ぐぅぅ
心の中は今日の反省に余念がないと言うのに、体は空気が読めずにお腹が空いたと鳴いてくる。
チラッと振り向いた時透さんと目が合ってしまい、苦笑いを向ける。
「…お腹空きませんか?」
「……まぁ、それなりに。早く帰りましょう。」
「あ、いや…おにぎり食べません?」
「……はい?」
そう。私は今日、任務で動くと食べた物を消化してまた痩せてしまうからと思っておにぎりを持ってきていたのだ。
暫く甘味はいいや、と握ってきたそれを箱から取り出すと時透さんに見せてみるが、ポカンとした顔をして固まってしまった。