第23章 早とちりも程々に※
「今日はよろしくお願いします。霞柱様。」
「あー、はい。こちらこそ。今日の鬼はこの先の村で被害が出ているそうで、恐らく此処の森を彷徨いているのではないかと言うことで来ました。数名の鬼殺隊士が帰ってこないので僕が駆り出されましたが、継子さんには怪我をさせないように言われてますのでご安心を。」
ツラツラと並べ立てられる言葉は抑揚がなく、淡々としている。本当に十四歳だろうか。私が十四歳の頃は野山を駆け回っているようなお転婆娘だったと言うのに…。
ボーッとしているような、落ち着いているような…。でも、柱になるくらいなのだから物凄く強いのだろう。
宇髄さんも時透さんは凄く才能があると言っていた。
伝達時に教えてもらった詳細の通りの場所に向かうと霞柱の時透さんだけでなく、二名の鬼殺隊士がいた。私だけこんな特別扱いをされてしまっては体裁が悪い。いくら宇髄さんの継子だからと言ってこれでは居心地が悪すぎる。
「あ、あの…、霞柱様にお言葉を返すようで申し訳ないのですが、私のことはほの花と呼んで下さい。あと、宇髄さんの継子ですが特別扱いは大丈夫です。」
「??宇髄さんに家を爆発されるのは困ります。」
「さ、させません!させませんから!お願いします。体裁悪いんで!!!」
懇願するように彼に頭を下げれば、変わらぬ声色で「分かりました」と言われる。
しかしながら、宇髄さんったらどこまで私との関係を言いふらしているのだろうか。秘密事項に関しては頑なに言ってないのは本当に信頼をおける師匠で恋人だと自負しているが、それ以外のことに関しても少し控えめにしてもらいたい。
しかも、時透さんはまだ十四歳。
まさかとは思うけど、変なことを言っていないだろうか。
例えば猥談とか、猥談とか、猥談とか…。
その上、私のことを混じえたことで。
宇髄さんのことを信頼しているが、誰に聞いても名前を言えば「あー、宇髄さんの継子で恋人の方ですよね。」と言われる。
恋人が浸透しているということだ。
私は少なくとも言っていない。
──と言うことは彼がそれに関しては言いふらしていると言って良いと思う。