第23章 早とちりも程々に※
「本当に大丈夫か?やっぱ俺もついて行くわ。ちょっと待ってろ…!」
「任務あるでしょうが!早く行ってきて!大丈夫だから!霞柱様がいるんだし!自分の仕事行ってきてーー!!」
──遡ること半日前
時透さんが此処に来て挨拶と任務依頼をしに来てくれたのは昼前のこと。
突然、「ごめんくださーい」と来た彼はまだ幼さが残る少年で長い黒髪を靡かせて綺麗な顔をしていて一瞬女の子かと思ったほど。
たまたま私が玄関で出迎えると、昔の柱合会議で見たことのある顔だったのですぐに柱の人だと気付いた。
「こんにちは。宇髄さんはいますか?」
「こんにちは!すみません…!昨夜任務でまだいま休んでいるんですが…急用でしたら起こしてきますが…!」
「ああ、そうなんですね。宇髄さんから許可を貰ってるので大丈夫だと思いますけど、念のためお伺いに来たんです。継子さんですよね?」
宇髄さんに許可を貰っていることをまたわざわざ来てくれたのかと思うと何と律儀な少年なのだとこの時点で彼の印象は鰻上りだ。
「そうです!神楽ほの花と申します。よろしくお願い致します。」
「霞柱の時透無一郎です。突然ですが、今日の夜、僕の任務についてきてもらえますか?宇髄さんから許可は貰ってますから。」
「え?私…ですか?」
今まで全く関わりのなかった霞柱の時透さんが宇髄さんの継子である私に頼みにくるなんてそれだけで珍しいこと。
しかも、それを宇髄さんが了承していると言うことはそれだけ重要なことなのだということだろう。
「そうなんです。宇髄さんから聞いてませんか?昨日決まったんですけど、鬼殺隊士不足で医療班まで足りない状況なので、継子さんには医療班兼剣士の任務を増やしてもらうってことになったんです。」
昨日は私の体のことを心配しすぎてそれどころではなかったのだろう。そして昨日決まったこととは言え、宇髄さんのことだからこんな直近のことだとは思わず了承したのかもしれない。あれほど心配性で昨日は特に体調不良だったのに了承をしたと言うことはそう言うことだと思う。
しかしながら、話の内容は深刻そうですぐに納得ができた。