第23章 早とちりも程々に※
打ち合わせを終えると、頭の端に寄せてたほの花が急に占領してきて心配で早く帰ろうと思い、蝶屋敷を真っ先に出発しようとしていた。
すると、後ろから「宇髄さん」と声をかけてきた胡蝶にその場に止まった。
「あ?何だよ?」
「少し良いですか?気になることがあるので…。」
「俺急いでンだけど。明日また来るわ。ほの花、体調悪くて寝てっからよ。」
「その大事な大事なほの花さんの件なので。手身近に済ませます。こちらへ。」
早く帰りたくてウズウズしていると言うのに、話の内容がほの花と分かれば聞かないわけには行かずに、仕方なく彼女の後をついていく。
明日また来ると言っているのに急いで話さなければならない内容であることに少しばかり不安にもなるが、聞かないことには分からない。
診療室だろうか。
医薬品の棚が並んでいる部屋に通されると胡蝶がこちらを見て唐突にとんでもないことを聞いてきた。
「単刀直入に聞きますが、ほの花さんって月のものは今月来てます?」
「…はぁ?!ンなこと聞くためにこんなところ呼びつけたのか?!明日でいいだろ!知らねェけど、まだじゃねェの?」
「先月は此処でお預かりしていたのでその時来てたんですよ。」
急いで帰りたいと思っている時にどうでもいい内容を聞いてきた胡蝶に若干苛ついてきたので踵を返す。
「そういう話なら明日にしてくれ。」
「吐き気に微熱があるんですよね?変に食欲が旺盛と言うことはないですか?」
それなのに尚も話を続けてくる胡蝶に面倒だとは思いつつ、今度は症状の話をしてきたので仕方なくまた向き合った。
「…まぁ、昼はすげぇ食ってたけど、それは最近痩せちまったからで、別に不思議なことじゃねェよ。最近、よく食うから。」
「最近よく食べるけど、微熱があって、今日は吐き気と嘔吐があるんですね?」
「だからそうだって。もういいか?」
「もう一つ聞いていいですか?」
そう言う胡蝶の顔が真剣なのでいい加減帰りたいと腹が立ってきていた気持ちを抑えて言葉を待つが、その言葉に俺は度肝を抜かれた。
「…何だよ。」
「避妊はしてますか?」
「……は?」
流石にそこまで言われると何を言わんとしているかわかってしまって、俺は固まった。