第23章 早とちりも程々に※
「今度、宇髄さんの継子さんに僕の任務にも来てもらってもいいですか?僕、あんまり話したことないのでどれくらい戦えるのか見ておきたいんですけど…。」
「あー、構わねぇ…けど、変な任務に連れてくなよ。」
顔色を窺うようにそう聞いてきた時透に俺はニヤニヤと笑いながら隣にいる不死川を見た。
「おい、悪かったって。もうあんな任務連れていかねェよ。」
「当たり前だわ!!今度あんな不埒な任務連れてったらぶっ殺すぞ!!」
「…不埒な任務…?」
「宇髄さん…?不死川さん…?そう言うお話はお二人でなさってくれませんか?」
胡蝶が時透の耳を塞ぎながら俺たちに冷たい視線を突きつけてくるので、そういえば柱と言えど時透はまだ十四歳。
流石に猥談をするには早い年頃だろう。
「悪ぃ悪ぃ。時透、ほの花には伝えておくが、怪我させんなよ。」
「はい。勿論です。継子さんに何かあると宇髄さんに玄関を壊されて、ぶん殴られると風の噂で聞きましたので大丈夫です。」
「……へぇ〜。風の噂…でね?風柱くん?」
「何だァ?それは事実だろうがァ。ほの花のことになると見境ねェくせによォ?」
「あ?何だと?!アイツがクソ可愛いんだから仕方ねぇだろ?!」
「宇髄さん…?不死川さん…?お茶を飲みますか?美味しい美味しいお茶を…。」
胡蝶がおどろおどろしい色をした茶を勧めてくるものだから俺と不死川は顔を合わせてとりあえず協定を結ぶ。
蝶屋敷で胡蝶を怒らせたら、一服盛られて殺される。
キョトンとしたままの時透の頭をぽんと撫でてやると「悪かった」と謝る。
齢十四ながら剣技の才は目を見張るほどだし、若さと才能溢れる時透のことも勿論柱として信頼してるし、剣士が明らかに足りないと言われている中で、流石の俺も継子だからと言って出し惜しみすることもできなくなっていた。
医療班兼ならば危険な任務にはならないだろうし、時透は任せられるほど強い。
ほの花のことはできるだけ危険な任務には就かせたくないと思う一方で十分戦えるということも師匠として自負もしてるので、こうやって他の柱から頼りにされるのは若干嬉しさもある。