第23章 早とちりも程々に※
打ち合わせの内容はここ最近の鬼殺隊の隊士不足が顕著だということと、担当警備地区の情報共有、十二鬼月の動向についてだった。
それぞれの担当警備地区は広くてなかなか情報共有する機会もないので、こういう機会にしっかりと共有をしておくのは重要だ。
十二鬼月の動向も注視しておかなければ、万が一階級が低い隊士に当たってしまったとき、ただでさえ隊士不足なのにより減ってしまう原因にもなる。
若手がなかなか育っていないということも度々問題視されていて、柱の負担は増えるばかりだ。
「隊士不足は医療班にまで及んでいるんです。怪我をした隊士が此処まで持ち堪えられなくて死亡する事案が出てきています。」
「それは厄介だなァ…。医療班ばかりはどうすることもできねェよな…。」
「宇髄さんのところの継子の方にお願いすることはできないんですか?先日、応急処置で行ってくれたと聞きました。」
時透にそう言われて、打ち合わせ中は頭の端に寄せてたほの花を潔く思い出させられてハッとする。
確かにほの花であれば、戦える上に応急処置まで的確にやるだろう。適任とは言えるが…
「まぁ、医療班として行かせるのは構わねぇけど…、一人で何十人もの医療班の代わりはできやしねぇだろ。」
「…あー…そうですよね…。」
ほの花のそういう医学の知識を鬼殺隊の中で共通認識としてあるのは鼻が高いが、流石に全ての医療班の仕事までさせてしまえば本当にアイツは過労死する。
「だけど、確かにほの花さんには暫く医療班兼隊士としての任務を増やして頂く必要もあるかもしれませんね。」
「程々にしてやってくれよ。アイツただでさえ前に過労で倒れたことあンだからよ。」
「もちろん任務の数や仕事の量は調整しますよ。ほの花さんにはお館様の薬の調合という最も大切な役割もありますので。そこが疎かになるようでは困ります。」
流石に胡蝶はそういうところは理解が早くて助かる。言い出した時透も黙って聞いていた不死川も頷いて納得しているようだった。
「アイツの仕事が増えすぎて過重労働にならなけりゃ俺は構わねェよ。」
隊士としてよりも医療班として活動してくれた方が危険は遥かに少ないのだから師匠としても恋人としても賛成しない手はないのだから。