第23章 早とちりも程々に※
今日は午後から柱合会議ほど大きなものではないが、柱数名と任務について打ち合わせをする予定だった。
向かう先は蝶屋敷。
しかし、今朝の任務帰りからほの花の体調が芳しくない。寝ているところを襲う自分も悪いが、体を弄って猛った自分自身を押し付けながら口づけをしようとしたら急に「吐きそう」と言われるものだから驚いた。
まさか自分のことを気持ち悪いと言われたのかと一瞬固まったが、すぐに口元を押さえた彼女にその考えが違っていたことは明らかで、慌てて厠に駆け込むと背中を摩ってやった。
一頻り、吐き切ればスッキリした面持ちで「続きする?」とか言われたが、流石に体調悪いほの花を抱くほど鬼畜に成り下がったつもりはない。
シている最中にまたこみ上げたりでもしたらそれこそ生殺しだ。
一緒に床に入り、昼ごろに起きればほの花は朝方の件はなかったかのような振る舞いで昼飯を爆食するので、気でも触れたかと目が点になった。
引き寄せる身体が少しだけ熱っぽい気もしていたので、体調が悪いのは間違いないのだと思うが食欲は旺盛で、見た感じは元気いっぱいのほの花。
寝かせようとしたのに、例によって例の如く可愛い顔でおねだりをされてしまえば簡単にいうことを聞いてしまう腑抜けな俺。
(…最近、名前で呼ばれちまうと頭が上がらねーんだよなぁ…。)
上目遣いで「天元」なんて呼ばれて、おねだりされたら、"あら不思議"…俺の機嫌は上機嫌だ。
薬の調合をしたいというほの花に、布団の横にいつも使っている座卓を持ってきてやり、疲れたら此処で寝るように言い聞かせる。
本当ならばそばにいて様子を見てやりたいのは山々だが、薬の調合中は真剣にやってる彼女の邪魔になるといけないので、なるべく退出するようにしている。
そのかわり、耳の良い俺は彼女の寝息が聞こえてこれらすぐに分かるし、その時に様子を見に来たらいいかと思っていた。
案の定、打ち合わせの少し前に寝息が聴こえてきたので様子を見に行くと布団の上でコテンと寝てしまっているほの花が目に入った。