第23章 早とちりも程々に※
手から溢れんばかりの胸を揉みしだきながら、太腿から腰にかけてを摩っているとほの花が少し身動いだ。
(…お。起きたか?)
ボーッとしているほの花にいきなり強い刺激は与えられないので、撫で回す程度に体を弄っていると自分の欲が肉棒に溜まっていくのが分かる。
「…おかえり、天元。」
「ん、ただいま。ほの花、ヤリてぇ。いい?」
「うん…。」
しかも、帰ってきて早々「天元」と呼ばれてしまえば俺の性欲は突き抜けて、彼女の唇を奪おうと体を引き寄せた瞬間、突然口を塞がれた。
今から口づけして抱こうと言う時に出鼻をくじかれて不満げに彼女を見るが、自分の口元も手で覆っていて険しい顔をしている。
「ご、ごめ、ちょっ、と気持ち悪い…。」
「は?!お、おい…大丈夫か?吐きそうか?」
「…う、ん、…吐きそう…。」
情交を断るための口実でもなく、本当に具合の悪そうなほの花の姿に慌てて厠に連れて行ったが、やはり嘘ではないようですぐに嘔吐してしまった彼女の背中を摩った。
「…全部吐ききっちまえよ。どうしたんだよ。変なもんでも食ったか?」
「…いや、食べてない、と思うんだけど…。ごめんね。空気読めないことしちゃって…。」
「ばぁーか。良いって。流石の俺もお前の体のが大事だっつーの。」
ヤれなかったことに申し訳なさそうに謝るほの花だが、こっちが寝込み襲っているわけだから彼女は何も悪くない。
体調が悪いかどうかも確認せずに体を弄っていたのだから。
「ありがとう。もう大丈夫そう。吐いたら楽になった!うがいして部屋帰ったら続きする?」
「いや、流石に駄目だろ。一緒に寝るぞ。熱はなさそうだけど無理すんなよ?」
「えー…?いいの?私はいいよ?」
「だーめ。そこまで鬼畜じゃねぇって。具合悪い恋人に無理強いさせるわけねぇだろ?」
意外にもヤる気満々だったのだろうか?それならば嬉しいことこの上ないが、やはり嘔吐するほどなのだから体調は良くはない筈だ。
我慢強いほの花に無理をさせて、また倒れたりでもしたらその方が大変なことになるので、俺は性欲を封印すると、彼女の部屋に向かった。