第23章 早とちりも程々に※
「うん、実はその時もお別れしてたんだけど…、どちらかと言えば私が勝手に悪い方向に考えすぎて一人で落ち込んで、彼を避けてただけなの。だから…、元に戻れて本当に良かった。」
素直にそう言えば蜜璃ちゃんは満面の笑みで頷いてくれる。
「うんうん!二人はやっぱり一緒にいないとねっ!宇髄さん、ほの花ちゃんのこと話してる時が本当に嬉しそうで幸せそうだもの!!」
「え?私のこと話してることあるの?な、何て?変なこと言ってない?!」
日中、いない時は柱同士で情報共有をするために会っていることもあるようなので、蜜璃ちゃんと会話していることには何の違和感もないが、恥ずかし気もなく私とのことを開けっ広げに言う彼に急に全身が熱くなった。
「え?大丈夫よ!そんな変なこと言ってないわ!「ほの花がクソ可愛くてよ!」とか「寝起きだと甘えてくんのがたまんねぇ!」とかよく聞くわぁ〜。」
「……蜜璃ちゃん、モノマネ上手だね…。いま、宇髄さんが此処に見えたよ…。」
「え?そうかしら?!私ったら才能ありかしら?」
「うん。物凄くあると思う。」
蜜璃ちゃんが宇髄さんのモノマネをして教えてくれるものだからその時の彼が手に取るようにわかった。変なことは蜜璃ちゃんには言ってないようだけど…相手が変われば彼のことだからこれ以上のこともペラペラと言っていそうだ。
不死川さんから聞いた話だと、陰陽師とか大事なことは決して話さなかったと言っていた。そういうところは本当に守られてるなぁ…と感じるし、信頼してる。
でも、他愛もない話であれば話は別だ。絶対言ってそうな気がするし、そこに悪気もない。だから咎めたとしても悪びれもしないだろう。
「でも、素敵なことよ〜!自分の恋人のことをみんなの前であれだけ愛を叫べるのよ?本当に凄いと思うわぁ!ほの花ちゃん、愛されてるわよーー!」
「うん…愛されてるよね…。そうだよね…。」
こんなに愛されてるのだから何を不満そうに思っているのだ!という私とやっぱり小っ恥ずかしいと思う私とが天秤にかけられて揺れている。
しかし、結局元鞘に収まれてのは彼の愛のおかげなのだから私はそれを咎めることはできないだろう。
暫くは彼の愛を存分に体感しよう。