第23章 早とちりも程々に※
「そんなに甘味食べ放題に行きたかったのね!ほの花ちゃんったら凄く可愛いわっ!!」
「そうなの、どうしても行きたくて…。」
「でも、食べたいものがあるなら宇髄さんに言えば買ってくれるんじゃないかしら?あんなにほの花ちゃんに優しいんだもの。」
蜜璃ちゃんの言っていることは尤もで、確かに宇髄さんは欲しいものがあれば買ってくれると思うけど、甘味は別だと思う。
「飯も食え」と毎回言われるように甘味だけ食べるようなことは許してくれないし、食べ放題で食べ過ぎて万が一ご飯が食べられないなんてことになったら怒られること間違いなし。
しかも理由が理由だ。
お乳を大きくしたいからだなんてことがついでにバレてしまえば、私の体の平穏はない。
「…多分、甘味ばっかり食べると怒られちゃうし、今回は痩せちゃったから体重を元に戻したい…という目的があるから。」
「えー?!それなら尚更、宇髄さんなら許してくれそうだわ。健康的な体重に戻そうと頑張っているほの花ちゃんを応援しないはずがないわ!」
そう。もちろん、それもそうなんだけど…。
駄目だ、蜜璃ちゃんには本当の目的をちゃんと言おう。
そうでなければ下手したら宇髄さんにポロッと言ってしまうかもしれない。
「あの…、実は…、それは建前上の目的…と言いますか…。」
「建前?」
「本当は…………、巨乳になりたくて…。」
言う直前に日和って、小声になってしまったが蜜璃ちゃんの耳には届いたようで、"ブフッ"と吹き出した彼女に肩を落とす。
「っ、ご、ごめんなさい!そうなのね…!ふふ、それで宇髄さんには知られたくないってことでいいかしら?」
「…そ、そう!そうなの。宇髄さんに知られると…、その…色々と弊害が……夜に。」
「あ、あら、やぁねぇ!!!もう!ほの花ちゃんったら!やらしいわぁっ!でも、うん!そうね。きっと宇髄さんはそんなこと望んでないでしょうし、内緒にした方がいいわね!任せて頂戴!甘味の食べ放題も一緒に行くし、内緒にもするわ!」
胸を叩いて、得意気にフンっと鼻息を荒くした彼女が神様のように見えた。
よくよく考えたら蜜璃ちゃんほど一緒に行くのに適任の人はいない。
此処で出会えたことは神様からの思し召しだ…!と私は天に感謝をした。